
2026.07.13
社内手続きの承認や申請に時間がかかりすぎて困っていませんか?
ワークフローを適切に整備すれば、業務の滞りを防ぎ、処理の迅速化やミス削減につながります。
本記事では、ワークフローの基本的な意味や業務フローとの違い、効果的なワークフローの作成方法、業務効率化に役立つ便利なツールについて解説します。
バックオフィス業務の煩雑さに課題を感じている方は、ぜひ参考にしてください。

ワークフローとは、複数人が関わる業務の手続きや工程を体系立てて図示したものです。
たとえば、経費精算では「申請→承認→支払い」といった流れが一般的なワークフローに該当します。
現在では、こうした申請・承認の流れは電子稟議システムなどによってデジタル化され、オンライン上で運用されることも一般的です。
組織内には様々なワークフローが存在し、「誰が・いつ・何をするのか」という手順を明確に定めることで業務プロセスが標準化されます。
ワークフローを社内でしっかり確立しておけば、無駄な工程に気づきやすくなり、結果的に業務の円滑化や生産性向上に大きく貢献するでしょう。
なお、経費精算や出張申請などの経理手続き、有給休暇申請や人事異動などの人事業務、ソフトウェア導入申請、見積書・契約書の承認、購買・調達の発注処理など、複数人・複数部署が関わる手続きほど、ワークフローの整備による効果が大きくなります。
ワークフローと業務フローは混同されがちですが、どちらも業務の流れを表しながら、対象とする範囲と目的が異なります。
ワークフローは、申請から承認、決裁といった特定の手続きに焦点を当て、人や部門をまたぐ情報の受け渡しや意思決定の流れを示します。
経費精算や稟議など、承認プロセスを含む定型業務が代表例です。
一方の業務フローは、ある業務が始まってから終わるまでの全体的な流れを指します。
ワークフローという個別の手続きを内包する、より大きな枠組みと捉えるとわかりやすいでしょう。
両者の違いを整理すると、以下のようになります。
項目 | ワークフロー | 業務フロー |
対象範囲 | 特定の申請・承認手続きなど個々の業務の流れを指す | 業務の開始から終了までの全体的な流れを指す |
主な目的 | 業務の効率化・自動化を目的とし、システム化される場合も多い | 業務の手順や役割分担を整理し、可視化することに重きを置く |
業務が属人化していたり、手順が人によって異なっていたりすると、改善したくても現状把握が難しくなります。
ワークフローを可視化することで、こうした課題を整理し、業務全体を客観的に捉えられるようになります。
作業の流れや役割分担が明確になるため、課題発見だけでなく、改善施策の検討や社内共有もスムーズに進められる点が特長です。
ここでは、ワークフローを可視化することで得られる主なメリットを4つ紹介します。
ワークフローを図式化すると、関与する担当者や使用書類、全手順の流れを一目で把握可能です。
業務プロセスを見える化することで、どの工程に誰が関与しているか、どんな書類が必要か、といった全体像が明確になります。
全体像が把握できれば、無駄な手順や重複作業がないかを検証しやすくなります。
また、仮に担当者が異動・退職しても、可視化されたフローがあれば新任者への引き継ぎも円滑に行えるでしょう。
明確なワークフローがない場合、特定の社員に業務知識が偏ってしまう属人化が起こりがちですが、フロー図があればそのリスクを減らせます。
ワークフローを整備すると、ボトルネックの発見や手順の標準化によって業務効率を高められます。
プロセス内の無駄を洗い出して削減できれば、各タスクの処理時間を短縮可能です。
ワークフローに従って作業することで、「次に何をすべきか」を迷う時間が減り、作業漏れや確認ミスも防止できます。
結果として、業務全体の処理スピードが向上し、生産性アップにつながります。
さらに、属人化を防ぐ効果も期待でき、特定のメンバーに頼らずチーム全員で効率よく仕事を回せるようになるでしょう。
ワークフローを定期的に見直して改善し続けることが、業務プロセスの継続的な最適化につながります。
一度作成したワークフローも、運用する中で課題が見えてくるものです。
可視化されたフローを基に関係者で振り返りを行えば、不要な工程を省いたり承認経路を簡素化したりといった改善策を講じやすくなります。
たとえば、承認に時間がかかりすぎている場合には、承認者の段階を減らして処理を迅速化する、といった見直しも可能です。
こうしたPDCAサイクルを回しながらフローを更新し続ければ、業務品質の向上と効率化を持続的に推進できるでしょう。
誰がどの工程を担当するかが明確になるため、部門間での連携がスムーズになります。
ワークフローにルールが定められることで、各担当者に責任意識が生まれ、役割分担が明確化するでしょう。
その結果、他部署のメンバーも互いの業務内容を把握しやすくなり、「今どの段階で誰が対応中か」が共有されます。
無用な問い合わせや手戻りが減り、チーム全体で円滑に業務を進められるようになるでしょう。
また、ワークフローがあることで「誰に何を依頼すればよいか」が明確になり、部署間のコミュニケーションコストも低減される効果があります。

ワークフローは、思いつきで作成するのではなく、段階的に整理しながら進めることが重要です。
目的や業務内容を十分に整理しないまま図を描いてしまうと、形だけのワークフローになり、実務に活かせないケースも少なくありません。
そこで、ワークフロー作成を成功させるために押さえておきたい基本的な流れを、上記5つのステップに分けて紹介します。
順を追って進めることで、誰にとっても分かりやすく、現場で活用できるワークフローを作成できるはずです。
まずはワークフローを作る目的を明確に定めましょう。何のためにそのワークフローを作成するのか、明確なゴールを設定することが第一歩です。
目的が曖昧なままでは、単なる手順書を作るだけで終わってしまいかねません。
「業務の属人化を防止したい」「ミスや抜け漏れを減らしたい」「処理にかかる時間を短縮したい」「内部統制を強化したい」「業務コストを削減したい」など、実現したい改善点を具体的に洗い出し、ワークフロー作成の軸に据えましょう。
目的を定めておけば、設計の過程でも常にそのゴールを意識した判断ができるでしょう。
次に、現状の業務プロセスを詳しく洗い出します。
関係者へのヒアリングを通じて、業務の流れを最初から最後まで一覧化することが重要です。
どのタイミングで誰が何をしているか、使用している書類やシステムは何か、といった情報を細かく書き出していきます。
現行フローの関係者全員にヒアリングを行い、公式・非公式を問わず実際の手順をすべて書き出すことがポイントです。
まずは現状を正確に把握することに徹し、いったんあるがままの流れを可視化しましょう。
こうして洗い出した情報は、抜け漏れのないワークフロー設計の土台となります。
洗い出したタスクごとに、業務で使う書類や情報を整理します。
申請書や見積書、チェックリスト、社内システムのデータなど、どの工程で・誰が・何を使うのかをセットで一覧化しましょう。
書式が定まっていない書類があれば、この段階でテンプレート化を検討しておくと、記入ミスや確認の手間を減らせます。
必要な情報を早い段階で洗い出しておくことで、次のフロー図作成がスムーズになり、抜け漏れのない設計につながります。
洗い出した手順をもとにフローチャート形式でワークフロー図を作成します。
開始から終了までのステップを矢印でつなぎ、承認や判断が必要な箇所は分岐の形で示します。
フローチャートの表記ルールをあらかじめ決めておくとよいでしょう。
一般的には、開始・終了を示す丸、処理を示す四角、判断を示すひし形などの基本記号を用いると理解しやすくなります。
フロー図の作成後は、最初から最後まで順番に追い、矛盾や抜け漏れがないかを確認しましょう。
フロー図はシンプルさが肝心です。あれもこれもと記号や特殊な図形を詰め込み過ぎると、かえって全体像が分かりにくくなってしまいます。
一般的なフローチャートの記号(開始・終了、処理、判断など)を必要な分だけ使い、見る人が直感的に理解できる図に仕上げましょう。
最後に、完成したワークフローを関係者に共有し、周知徹底します。
作成したフローの内容を部署内や関連部門に説明し、全員が正しく理解するようにしましょう。
説明にあたっては、実際の業務手順に沿ってフロー図を見ながら一つひとつの工程を示すと現場の理解が深まります。
また、フロー図を文書化して配布しておけば、後から各自が見直すことも可能です。
共有の場を設けて疑問点や懸念点を解消すれば、現場でワークフローが形骸化せず実効性を持つようになります。
メンバーから運用上の改善アイデアが出れば取り入れて、より実践的なワークフローへとブラッシュアップしていくことも大切です。
あわせて、運用を始めた後も定期的に見直す体制を整えておくことが定着の鍵です。
業務内容や組織の変更に合わせてフローを更新し続ければ、実態とのズレによる形骸化を防げます。
修正や共有がしやすい状態を保つことが、長く使われるワークフローの条件と言えるでしょう。
ワークフローは作成すること自体が目的ではなく、関係者が理解し、実際の業務で活用できてこそ意味があります。
そのためには、内容の正確さだけでなく「見やすさ」や「伝わりやすさ」を意識することが欠かせません。
複雑な業務をそのまま詰め込むのではなく、誰が見ても直感的に理解できる工夫が求められます。
ここからは、ワークフロー作成時に特に意識したい上記3つのポイントを紹介します。
ワークフロー図は誰が見ても直感的に理解できるよう、視覚的な分かりやすさを最優先にしましょう。
たとえば、フローの進行方向を統一し、矢印や接続線が交差しないように配置するなど、レイアウトを工夫します。
必要に応じて、部署ごとにレーンを設けて担当を明示するスイムレーン形式を採用すれば、さらに見やすい図になります。
凝ったデザインよりも、一目で流れが追える構成を心がけることが大切です。
各ステップの記載は簡潔に留め、図形や記号の持つ意味を活かして情報を伝えましょう。
フロー図の中に長い説明文を書くのは避け、プロセス名や処理内容は短いキーワードで表現します。
判断が必要な箇所ではひし形の記号を用いるなど、典型的なフローチャート記号を上手に使えば、文字を多く書かずとも意図を伝えられます。
説明過多にならないよう注意し、シンプルかつ明確な表記を心がけましょう。
色分けを活用すると、フロー図の情報を直感的に区別しやすくなります。
たとえば、部署ごとにプロセスの枠の色を変えれば担当の違いが一目で分かります。
あるいは承認ステップを強調したい場合に、該当する処理の枠だけ色付きにするといった工夫も有効です。
ただし、多用しすぎるとかえって見づらくなるため、用途を決めてポイントごとに配色するのがコツです。

ワークフロー図は手書きやシンプルな図形でも作成できますが、業務で継続的に活用するならツールを使った作成が効率的です。
ここでは、ワークフロー作成に役立つ代表的なツールを5つ紹介します。
専用ツールを活用することで、レイアウト調整の手間を減らせるほか、修正や共有も容易です。
目的や運用規模に応じて適切なツールを選び、負担を抑えながら、分かりやすい図を作成できます。

「フロー図は作ったものの、運用まで手が回らない」「作図ツールと管理ツールが分かれていて更新が面倒」——こうした課題を解消するのが、業務改善プラットフォーム『mfloow』です。
mfloowは、業務フローの整理からマニュアル化、運用(進捗管理・タスク管理)、分析までを一気通貫で行えます。
フローを描いて終わりにせず、そのまま日々の業務に落とし込めるため、属人化やブラックボックス化、二重入力といった課題の解消につながります。
作成したワークフローを現場に定着させ、継続的に改善していきたい企業にとって、mfloowは有力な選択肢です。
まずは自社の業務を可視化するところから始めてみてはいかがでしょうか。

多くの企業で利用されている表計算ソフトExcelは、実はワークフロー図の作成にも活用できます。
Excelの標準機能である図形描画ツールやフローチャート用の図形パーツを組み合わせれば、特別なソフトがなくても簡単なワークフロー図を作成可能です。
既に社内で使い慣れたExcelを使える点は大きな利点と言えるでしょう。
ただし、Excelはあくまで図を描く補助ツールであり、申請フォームのテンプレート作成や複雑な承認ルートの設定、実際の承認手続きの管理まではできません。

diagrams.net(旧称:draw.io)は無料で利用でき、インストール不要で直感的にフローチャートを作成できるオンライン作図ツールです。
作図アプリのダウンロードは不要で、作成した図はGoogleドライブなどのクラウドストレージに保存できます。
また、複数人での同時編集にも対応しています。
Excelの描画機能では物足りないと感じる方におすすめですが、こちらも申請書類のひな形や承認プロセスの管理機能は備えていません。
海外製のサービスですが、言語設定から日本語表示に切り替えられるうえ、UIもアイコン中心で直感的に操作できます。
フロー図の作成に特化したシンプルなツールで、その手軽さから根強い人気があります。

rakumo ワークフローは、ワークフローの作成から申請・承認、電子契約までを一元管理できるクラウド型のワークフローシステムです。
Excelやdiagrams.netが「図を描くためのツール」であるのに対し、rakumo ワークフローは実際の申請業務を電子化・効率化するプラットフォームと位置付けられます。
豊富な申請フォームのテンプレートや承認フローのサンプルが用意されている点も特徴です。
クラウド上で動作するためテレワーク環境でもリアルタイムに申請・承認が行え、電子契約サービスとの連携により契約締結まで完結できます。
作成したワークフローをそのまま実務で利用できるため、運用まで見据えた導入を検討する企業にとって、選択肢の一つとなるでしょう。

上記以外にも、ワークフロー図の作成に使える専用の描画ツールは数多く存在します。代表的なものとしては、MicrosoftのVisio(ビジオ)があります。
Visioはビジネス向けの作図ソフトで、豊富な図形テンプレートと高度な編集機能により複雑なフロー図も美しく仕上げることが可能です。
また、LucidchartやCacooといったオンラインサービスも人気で、ブラウザ上でチームとリアルタイムに図を作成・共有できます。
専用ツールを活用すれば、より洗練されたワークフロー図を効率的に作成できます。
ただし、専門ツールは高機能な反面、有料だったり習熟に時間がかかったりする場合もある点には注意が必要です。
自社のニーズとスキルレベルに合わせて、最適なツールを選択することが大切です。
A. まずは「現状の可視化(As-Is)」から始めましょう。
いきなり「あるべき姿(To-Be)」を描いたり、新しいツールを導入したりするのは失敗のもとです。
まずは、現在「誰が・いつ・何を」しているのか関係者にヒアリングし、業務のありのままの流れをフロー図などで書き起こします。
現状を正確に把握することで、初めて無理や無駄などの「ボトルネック」が特定できるようになります。
A. プロセスを「個人の頭の中」から「チーム全員が共有できる場所」へ移すことです。
特定の人しか分からない手続きがある場合、まずはその手順を言語化・図式化します。
ここでのポイントは、最初から完璧で分厚いマニュアルを作ろうとするのではなく、「業務の流れ(ワークフロー)」をチーム全員がパッと見てわかる状態にすることです。
誰でもアクセスできる場所にフローを公開し、担当者以外でも前後の流れを追える状態を作ることが、属人化解消の第一歩となります。
A. 「更新の手間」を極力減らし、常に最新の状態を保つ仕組みづくりが必要です。
ワークフローが定着しない最大の理由は、フロー図が更新されず、現場の実態とズレて「形骸化」してしまうことにあります。
Excel等での管理は修正が面倒になりやすいため、本記事でご紹介したような「簡単に修正・共有ができ、常に最新版を維持できる専用ツール(作図ツールやワークフローシステム)」の導入を検討すると良いでしょう。

ワークフローの適切な設計と運用は、業務効率化やミス削減に欠かせません。
作成は思いつきで進めるのではなく、目的の明確化から書類・情報の整理、図式化、運用・定着までの5つのステップを順に踏むことが成功の近道です。
また、一度作って終わりにせず、現場の実態に合わせて継続的に改善することが重要です。
まずは現状のプロセスを可視化し、属人化や無駄な工程を省きながらPDCAを回し続けることで、フローの形骸化を防げます。
作成から運用・改善までを効率よく進めるには、自社に合ったツールの活用も有効です。
本記事のステップやポイント、ツールの選び方を参考に、より生産性の高い環境づくりにぜひ取り組んでみてください。
この記事を書いたライター

mfloowブログ編集部
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