
2024.12.23
例年、1月は給与支払報告書と法定調書の提出時期です。
2つは記載する内容や作成期間が類似していますが、それぞれ別の役割をもった書類です。
本記事では給与支払報告書について、役割や源泉徴収票との違い、書き方まで解説します。
給与支払報告書の提出は、支払者の義務です。最後に、提出しなかった場合の罰則まで解説しています。

給与支払報告書とは、1年間を通して従業員に支払った給与等の金額や源泉徴収した税金の額などを税務署に報告するための書類です。
給与支払報告書は、主に「個人別明細書」と「総括表」の2種類で構成されています。
給与支払報告書を提出することで、市区町村が従業員から適切な住民税を徴収できるようになります。
そのため個人別明細書は、給与の支払者が、給与を受け取った従業員が居住する市区町村へ提出します。
給与支払報告書は、従業員の翌年の住民税額を適切に算出するために重要な書類で、提出は支払者の義務です。
個人別明細書は、従業員の居住する市区町村へ提出する従業員の個人情報をまとめた書類です。
従業員の氏名、住所、生年月日、個人番号(マイナンバー)などに始まり、給与額、社会保険料の控除額など、住民税の算出に必要な情報も記入します。
詳しい項目や書き方については後の「給与支払報告書:個人別明細書の書き方」をご覧ください。
総括表は、提出する個人別明細書を市区町村ごとにまとめる表紙の役割を持った書類です。
個人別明細書の提出先となる市区町村に対して、何人分の個人別明細書を提出するのか、退職者はいるのかなどを記載して提出します。
個人別明細書と総括表は、セットで提出するものです。
給与支払報告書と源泉徴収票はどちらも従業員に支払った給与や控除に関する情報を記載した書類で、内容も一緒ですが、提出先と対象者が異なります。
項目 | 給与支払報告書 | 源泉徴収票 |
提出先 | 従業員の居住する市区町村 | 税務署・従業員本人 |
対象者 | 給与等を支払った従業員 | 源泉徴収票の提出範囲に該当する者 |
給与支払報告書は市区町村が住民税を算出するための書類、源泉徴収票は税務署や本人に所得税額を報告するための書類であるという目的の違いから、提出先と提出が必要な対象者が異なるものになります。
ここでは、個人別明細書に記載する項目やその書き方を解説します。

画像参照元:令和7年度 住民税特別徴収 給与支払報告書の提出について
給与ソフトをご利用の場合は、源泉徴収票と同様に個人別明細書の帳票も作成されるケースがほとんどです。
eLTAX(エルタックス)に対応したソフトをご利用であれば、電子申請も可能です。
様式のダウンロードが必要の際は、提出先の市区町村のホームページから最新のものをダウンロードするとよいでしょう。
給与の支払を受けた従業員の、氏名や住所、マイナンバーなどを記載します。
住所については、1月1日現在のものを記載します。
例えば、令和6年の給与支払報告書には、令和7年1月1日現在の住所を記載し、令和7年1月31日までに提出します。
毎月の給与と賞与を合わせた総支給額を記載します。
通常は1月1日から12月31日までの内容を記載します。途中で退職した従業員については、給与を支払った期間中の内容のみ記載します。
年の途中で入社した社員から前職の源泉徴収票の提出をうけ年末調整を行った場合は、前職で受けた給与・賞与額と合算した額を記載します。
この後に解説する源泉徴収額および社会保険料等の金額も同様に合算した額を記載します。
給与収入額に応じて、経費分として差し引くことができるのが給与所得控除です。
給与所得控除後の金額は年末調整等のための給与所得控除後の給与等の金額の表をもとに確認することができます。
なお、所得金額調整控除の適用がある場合には、所得金額調整控除の額を控除した後の金額を記載します。
所得控除の合計額を記載します。
所得控除の例
基礎控除
社会保険料控除
生命保険料控除
配偶者控除
扶養控除
ひとり親控除
障害者控除
源泉徴収税額とは、年末調整後の源泉所得税と復興特別所得税の合計額です。
年末調整の対象でない場合は、その年に源泉徴収を行った所得税と復興特別所得税の合計額を記載します。
控除の対象となる配偶者の有無と配偶者(特別)控除の額、扶養親族、障害者がいる場合はその人数を記載します。
給与から控除した社会保険料の総額を記載します。
小規模企業共済等掛金の額については、上段に内書きします。
従業員が支払った生命保険料や地震保険料などの控除額、住宅ローンがある従業員が受ける住宅借入金等特別控除の額を記載します。
また、実際に支払った保険料額や住宅借入に関する情報も記載します。国民年金保険料等の支払いがあった場合は、その金額も忘れずに記載しましょう。
控除対象となる配偶者がいる場合は、氏名や個人番号の他、配偶者の合計所得を記載します。
配偶者以外の控除対象となる扶養親族や16歳未満の扶養親族など、控除対象者の氏名や個人番号を記載します。
従業員が外国人である、乙欄適用である、障害者の区別などについて該当するものに〇をつけ、年の途中で入社・退職をした場合には、その日付を記載します。
給与支払者の法人番号(または個人番号)・住所・支払者名情報を記載します。
年の途中で入社し前職の源泉徴収票を提出し合算した年末調整を行った場合は、前職に関する情報を記載します。記載する項目は所在地・名称、退職年月日、給与等の金額・源泉徴収税額・社会保険料の金額です。
給与額が少ない(C)、支払いが不定期(D)、退職または退職予定(F)の場合は、翌年度の住民税の徴収方法を普通徴収とすることができるため、普Cや普Fのように符号を合わせて記載をします。なお、給与からの天引きで住民税を徴収する「特別徴収」の対象者は記載は不要です。
また、令和6年分については定額減税に関する記載が必要です。
年末調整を行っていない場合は「年調未済」と記載します。

総括表作成のタイミングは、個人別明細書を作成後にそれぞれを提出先の自治体ごとに分けた後で行います。
提出先の市区町村ごとに記入方法が異なる場合があるため、12月中に市区町村から送られてくる給与支払報告書作成のご案内を確認しましょう。なお、eLTAXでの電子申請を利用している場合など、案内の送付を不要と届けている事業者へは案内が届きませんので、市区町村のホームページ等を確認してください。
その後、特別徴収対象者(在籍者)と普通徴収対象者(退職者と退職者以外)に分けて人数をカウントし、総括表の作成へと進みます。
給与の支払い期間を記載します。
1月1日から12月31日までとなります。
通常は年間分を選択しますが、退職者のみの総括表となる場合は、退職者分を選択します。
支払者の情報を記載します。給与支払報告書作成のご案内にはあらかじめ会社名などが印字されています。
提出年の1月1日時点において、給与の支払いを受けている従業員の総人数を記載します。
例えば、令和6年の給与支払報告書は令和7年の1月に提出しますので、記載する人数は令和7年1月1日現在のものとなります。
提出先の市区町村に居住する従業員の特別徴収の対象者、普通徴収の対象者(退職者)、普通徴収の対象者(退職者を除く)の人数をそれぞれ記し、最後に合計人数を記載します。
報告に誤りがあった場合、普通徴収の対象者が特別徴収として扱われるなど不都合が生じますので注意が必要です。
法人税(個人事業主であれば所得税)の所轄税務署を記載します。
給与の支払方法(時給 / 日給 / 月給など)、給与の支払日を記載します。
給与支払報告書作成のご案内が市区町村から送られてくる場合は、指定番号が既に記載されています。「特別徴収税額通知書」にも記載されていますが、指定番号は変更になるケースもあるため、市区町村から届く案内を事前にチェックするようにしましょう。
納税実績がない市区町村の場合は、空欄で提出します。
eLTAXを利用して提出する場合は、総括表の提出は不要です。その場合はeLTAX上の指定番号欄に忘れずに入力をしましょう。
地方税法第317条の7に、給与支払報告書を提出しなかったとき、または虚偽の記載をするなど違法行為をした者は、一年以下の懲役、または50万円以下の罰金を処すと定められています。
給与支払報告書の提出は支払者の義務です。
期日を守り、誤りのない内容で提出しましょう。
前々年に税務署に提出した給与所得の源泉徴収票の枚数が100枚以上だった場合、給与支払報告書は紙ではなく電子で提出することが義務化されています。
また、提出するだけでなく、税額通知書の受け取り方法についても紙と電子どちらで受け取るか指定が必要です。

給与支払報告書は、企業が従業員に支払った給与の詳細を市区町村に報告する重要な書類です。
個人別明細書と総括表で構成され、従業員の住民税算定に不可欠な役割を果たします。
また、従業員や扶養家族の個人番号を記載する必要もありますので、自社の特定個人情報(マイナンバー)の取扱規定に則り、取扱担当者以外が扱うことがないように、適切な管理を行いましょう。
このような重要な手続きに漏れや誤りがないように、タスクをツールで管理するのも一つの方法です。
弊社では、各部署のタスク進捗状況を可視化するツール『mfloow(エムフロー)』を提供しております。
タスクを可視化し人為的ミスを減らしたい、自社の成長を加速させたいと考えている企業はぜひお問い合わせください。
サービスサイト:mfloow

この記事を書いたライター

mfloowブログ編集部
mfloowブログ編集部メンバーが不定期で更新します。業務効率化やバックオフィス業務をテーマに、読者の皆さまのお役に立てる情報を解説しています!
AIで見える化から定着まで業務改善プラットフォーム
© Micronity Inc.