HOMEkeyboard_arrow_right導入事例keyboard_arrow_right

社会保険労務士法人 東京おむろ人事サービス

mfloow(エムフロー)

インタビュー

「これで合っているか」を、一人で悩まない。
健保組合19年の社労士 × 人事を立ち上げた開発者が語る、AI×専門家の「共創」

会社名

社会保険労務士法人 東京おむろ人事サービス

事業内容

社会保険および労働保険のアウトソーシングサービスに特化した社労士事務所

健保組合19年の社労士 × 人事を立ち上げた開発責任者が語る、AIと専門家の“共創”

AIや便利なテンプレートが普及しても、担当者の頭には「本当にこれで合っているのか」という不安が残る——。

mfloowは、社会保険労務士法人 東京おむろ人事サービスの星野氏と「共創パートナーシップ」を結んだ。行政に近い立場で30年、人事労務を見てきた専門家と、自ら人事部門を立ち上げた事業責任者。異色の二人が、人事労務の“これから”を語り合った。

01 行政・人事労務に30年、人事を立ち上げた開発者。異色の二人の出会い

Q. まず、おふたりの歩みと、大切にされている考え方を聞かせてください。

星野:私は少し珍しい経歴で、健康保険組合に19年勤めた後、社労士法人を経て独立し、通算30年ほど人事労務に携わってきました。行政に近い立場に長くいたからこそ痛感するのですが、この業界は「法律やルールを示す」だけでは回らないんです。

よく「黄色信号」の例えをします。車をビュンビュン飛ばしている国道では、黄色でも行ってしまうのを見かけますよね。黄色信号は、止まるか進むか、現場での判断が分かれやすい瞬間です。「法律上ダメです」とルールを示して切って捨てるのは簡単ですが、企業の実態や規模に応じて、「ルールに沿いながら、実務でどう無理なく落とし込むか」という現実的な答えを一緒に考えることを大切にしています。

笠原:私はプロダクトマネージャーとしてメタップス(現マイクロニティ)に入り、はじめはプロダクト開発に携わっていました。そこから会社が上場を目指すタイミングで人事部長を拝命し、急拡大する組織づくりを担うことになったんです。

作る側と組織を支える側、その両方に立ったことで、人事の現場が抱える課題を当事者として目の当たりにしました。制度も仕組みも整わないまま人だけが増えていく中で、「これは仕組みで解かないと現場が持たない」と痛感しました。開発の目線と人事の実務目線、その二つが、いまのmfloowづくりの土台になっています。

Q. おふたりの出会いのきっかけは?

星野:去年の展示会です。最新のAI動向を見にAI関連の展示会へ足を運んでいて、そこでmfloowのブースに立ち寄り、笠原さんとお会いして意気投合しました。専門家の私が“最新のAIを見に行く側”だった、というのも今回の共創につながっているのかもしれません。

02 「仕事を盾に取る」——属人化が生む、静かな危機

Q. いまの人事労務の現場で、特に深刻な課題は何でしょうか。

星野:一番は「属人化」です。少子高齢化でバックオフィスの人員が削られ、少人数化が進んでいる。その結果、定型業務ですら「その人しかわからない」状態になり、業務がブラックボックス化してしまう。

半分オフレコですが……「仕事を盾に取られる」状態すら起きます。無意識に情報を囲い込んで自分の価値を高めようとする構造が生まれてしまう。その人が体調を崩して休んだり、退職したりすると、業務が完全に止まってしまうんです。

Q. 引き継ぎ書やマニュアルを残してもらうのは、難しいのでしょうか。

星野:私はいつも「引き継ぎ書は退職時ではなく、入社した初日の“違和感”があるうちに書け」と言っています。入社時に感じた疑問こそが、将来の完璧なマニュアルにつながっていきます。でも、実際にできる人は100人に1人もいません。数週間で日々の作業に染まって、言語化できなくなってしまうからです。

笠原:私が人事を立ち上げた時も、マニュアルは一切なく、まさに「サバイバル」でした。優秀なベテランがいても、人間である以上ミスは起きる。ミスが起きて初めて「なんで?」と原因究明が始まり、結局「次から気をつけよう」で終わり、また属人化に戻ってしまう。

この繰り返しを断ち切るには、業務を“仕組み”に落とすしかない、そう考えて、世の中にある業務管理やタスク管理のツールをひと通り試しました。ところが、人事はセンシティブで非公開な情報が多くて、既存のツールはどれもうまくフィットしなかったんです。それなら「本当に現場で使える仕組みを、自分たちで作ろう」と。それがmfloow開発の原点になっています。

取材は2026年9月17日、都内で実施。共創パートナーシップの締結に合わせて対談が行われた。

03 “AIに文面を作らせる”の先へ。専門家が実践するAIの使い方

Q. AI活用は、人事実務や社労士業界にどこまで浸透していますか。

星野:社労士業界は正直、ピンキリです。多くの人は「AIで綺麗なメール文面を作る」「初歩的なプロンプトを試す」レベルにとどまっている印象です。

私自身は1年以上前から、AIに厚生労働省の複雑な実施要領や、何百ページもある専門書を参照させて使っています。この環境を作ると、複雑な実務問い合わせに対しても、高い精度でAIが答えられるようになります。

Q. 一般的な検索型のAIと、専門文献を参照させるAIでは、何が違うのですか。

星野:回答の「深さ」と「根拠」が全く違います。一般的なAIに退職後の社会保険手続きを聞いても、浅い回答しか返ってこないことが多いです。そして、クライアントに「AIがこう言っていました」では信頼されません。私は必ず「この文献の何ページに記載があります」と出典を明記して渡します。行政の通達や、イレギュラーな事例やマニアックな実務例まで踏まえた根拠を出せることこそ、専門家の価値なんです。AIで調べられることは、クライアント自身も調べられます。これからの社労士の価値は、AIの答えを検証し、根拠を持って判断を支えることにあると思います。

笠原:この「根拠まで示せる専門性」を、担当者一人ひとりが持つのは現実的に難しい。だからこそ、星野先生のような専門家の知見を仕組みに組み込むことに意味があると思います。AIの速さと専門家の根拠、この両方が揃って初めて、現場は安心して使えるんです。

04 “自動運転タクシー”と同じ。安心は、専門家の裏づけから生まれる

Q. 今回は一度きりの監修ではなく、継続的な「共創パートナーシップ」という形をとりました。その意図は。

笠原:AIや便利なテンプレートが普及しても、利用者の頭には「本当にこれで大丈夫か」という不安が絶対に残ります。例えるなら「自動運転タクシー」です。技術的に可能でも、最初は乗るのが怖い。専門家である星野先生が監修し、根拠が組み込まれているからこそ、現場は「これを使えば大丈夫だ」という確信を持つことができます。

そのうえで、なぜ“単発の監修”ではなく“継続的な共創”なのか。労務は、法律も現場の実態も変わり続けるからです。一度テキストを監修してもらって終わりでは、すぐに現実と合わなくなってしまいます。作り続け、直し続ける関係でなければ、本当に“使える”ものにはならない。だからお互いの強みを対等に持ち寄って、ずっと伴走し合う“共創”という形を選びました。

星野:単発でテキストを書いて終わりでは、本当にもったいない。今回、第一弾として「休職・復職手続き」のテンプレート監修を行いました。休職対応は本人への配慮が欠かせない分、現場では特に“センシティブ”に感じられやすく、担当者が非常に手探りで対応に苦悩する部分なんです。

単に「休職届を出して手当金を申請する」という機械的な手続きだけではありません。特にメンタル不調による休職では、復職後の再発を防ぐための段階的なフォローが欠かせません。主治医・会社・本人間の慎重なやり取り、休職中の旅行など過ごし方をめぐるトラブル防止まで、実務で本当に必要な“肉付け”を、かなり丁寧に盛り込みました。


【共創の第一弾】社労士監修「休職・復職フローテンプレート」

現場で最も“センシティブ”な対応を求められ、担当者が手探りで苦悩する領域から監修を開始しました。

  • 機械的な手続きにとどめない。復職後の再発を防ぐための段階的なフォローまで設計

  • 難しいやり取りを型に。主治医・会社・本人間の慎重なコミュニケーションを織り込む

  • トラブルを未然に防ぐ。休職中の旅行など過ごし方をめぐる実務上の注意点まで反映

  • これは出発点。今後も、専門知見が必要とされるテーマへ、監修と情報発信を広げていく


「休職対応は、担当者が最も手探りになる領域」と語る星野氏。

05 「間違えない仕組み」をつくり、人は「人に寄り添う」

Q. AIやツールで「型化・自動化できること」と、「人間がやるべきこと」の境界はどこにありますか。

笠原:人事労務で一番の時間短縮は、実は「間違えないこと」なんです。私の経験では、一度手続きや判断を間違えると、その修正に通常の3倍以上の時間がかかってしまいます。mfloowと社労士監修の“型”があれば、未経験者や突然配属された担当者でも、間違いを減らし、一定以上の品質で業務を進められます。

星野:一方で、どれだけAIやマニュアルが進化しても「人対人のコミュニケーション」は人間にしかできません。休職に入る社員との面談、復職の可否をめぐる本人・主治医・会社の調整、退職を考えている人の本音に耳を傾ける場面——どれも正解が一つではなく、一人ひとりの事情や感情に、その場で心を配りながら向き合う仕事です。相手の状況を汲んで、かける言葉やタイミングを選べるかどうか。そこは、型やAIには決して置き換えられない、人事にしかできない領域です。

だからこそ、定型作業や書類作成の手間はツールで削り、浮いた時間を「社員一人ひとりと向き合う」「働き続けたい人が安心して働ける環境を作る」という、人事本来の仕事に使ってほしいんです。それが結果として会社に貢献することにもつながります。

「1人で悩まなくていい世界をつくりたい」——笠原。

06 「1人で悩まなくていい世界」を、全国の現場の当たり前に

Q. 最後に、このパートナーシップで実現したい未来を聞かせてください。

笠原:全国の展示会を回っていると、地方や中小企業では、まだ紙の運用だったり、AI利用どころではなく現場で苦しんでいる担当者がたくさんいます。私たちは「1人で悩まなくていい世界」を作りたい。mfloowと信頼できる専門家に頼れば、困ったときにすぐ解決できる。それを全国の現場の“当たり前”にしていきたいです。

星野:20年前も今も、人事担当者が現場で悩んでいるという本質——「入社・退職・休職の手続きをどうしよう」——は、実は変わっていません。そんな「同じ悩み」で時間を使うのは、もう終わりにしてほしいんです。サクッと解決して、余った時間を人間同士の触れ合いや、価値ある仕事に使ってもらえたら嬉しいですね。

ー 本日は貴重なお話しありがとうございました。

まずは自社の業務を「可視化」することから、
小さな一歩を踏み出してみませんか?

今すぐデモ版で試す

まずは無料でお試しいただけます

資料ダウンロード

サービスに関する資料をご覧になれます